目次
はじめに
親しらずを抜いたら顔が腫れてしまった、親知らずが生えて痛みがひどいなど、一般的に親しらずにはいいイメージを受けません。
この親しらずは生える人と生えない人がおり、すべて生えてくる人もいれば、全く生えない人、一部生える人などさまざまです。
では、親しらずが生えてきたらどう対処すればいいのでしょうか?
親しらずが生えている人もそうでない人もぜひご参考になさってください。
親しらずとは
そもそも親しらずとは一番奥にある永久歯のことです。
永久歯は15歳頃に全て生え揃いますが、親しらずはもっと後の10代後半~20代前半頃に生えるもので、子どもの歯の管理を親ができない年齢で生えるため親しらずと呼ぶようになったそうです。
また、親しらずが1本も生えない人は4人に1人程度いると言われています。
親しらずが生えてきた時の正しい対処法
では、親しらずが生えてきた時の正しい対処法はどういったものなのでしょうか?
実際に親知らずが生えてきた場合、抜いた方がいいものと抜かなくていいものとがあることを知っておきましょう。
抜かなくていい親しらずとは
きれいに噛み合っている
すべての親知らずがきれいに生えしっかりと噛み合っており痛みがないなら、無理に抜く必要はありません。
真横に向かって生えていたら急いで抜く必要ないものの、歯ぐきがかぶさっていたり、斜めに生えている場合などでも痛みや腫れがないなら急いで抜く必要はなさそうです。
健康な歯として機能している
また、まっすぐに生えており歯ぐきが被さっておらず、しっかりと上下の歯同士が噛み合っている場合はトラブルが起きにくいため無理に抜いてしまう必要はないでしょう。
なお、親しらずが歯周病や虫歯になった場合も進行が遅ければ他の歯と同様、抜かずに削り治療してもらうといいでしょう。
骨と一体化してしまっている
親しらずが埋まっていて動かず隣の歯が痛みがないようなら、無理に抜く必要はないでしょう。
骨と親知らずが一体化してしまっていた場合、症状がでづらいので抜歯した方がリスクも高いので抜かずにおいておく方が多いです。
周りの組織にリスクを与える可能性がある
上顎洞や下顎神経などに近い場合で、抜いた時の後遺症の可能性がある場合には抜歯しないことがほとんどです。
もし、抜くとしても一般の歯科医院でなく口腔外科などで処置する必要があります。
痛み止めや抗生物質で治療可能な場合
親しらずに痛みがあってクリニックで診てもらったとしても、すぐに抜歯するということはほとんどありません。
炎症が起きていたとしてもすぐに抜いてしまわなければいけないということではなく、症状が軽い場合は痛み止めや抗生物質などを服用すれば炎症をある程度抑えられます。
薬を飲めば数日程度で歯ぐきの腫れや痛みがおさまるため、その後通常の生活を送ることができます。
また、痛み止めや抗生物質の他にうがいや冷やすことでも症状が改善することがあります。
炎症がひどい場合
親しらずの周りの炎症が特にひどい場合はすぐに抜くことができません。
結果的に抜歯することになりますが、あまりに痛みや腫れがひどいと麻酔が効きにくいため治療に支障がでます。
そのため、抗生物質などである程度炎症を抑えて施術することになるでしょう。
炎症を放置して抜歯するということはなく、ある程度抑えてから抜く必要があります。
大事な用事や仕事の前
患者さんの体質や年齢などにもよりますが、抜歯後数日間は炎症がひどいことがあり、ひどい場合は10日程度腫れや痛みがあることがあります。
大事な用事や仕事、面接や受験などが控えている直前に親知らずを抜いてしまうと支障があるでしょう。
そのため、大事なイベントごとの直前に親知らずを抜くのは避けましょう。
抜いた方がいい親しらず
少しだけ見えていて生えそうにない場合
親しらずが横に生えていたり、斜めに生えている場合はきちんと生えきらずに歯周病や虫歯になってしまう可能性が高いです。
手前の歯を押しており歯並びが悪化する可能性がある
親しらずが手前の歯を強く押してしまっていると、歯並びが悪化する場合があるので抜くことが多いです。
親しらずの周囲にのう胞が出来ている
レントゲンを撮った時に親知らずが埋もれており、その周りに袋状のものが影となって見える場合があります。
これをのう胞と言いますが、放置しておくとトラブルの原因になります。
手前の歯を押しており歯並びが悪化する可能性がある
親しらずが手前の歯を強く押してしまっていると、歯並びが悪化する場合があるので抜くことが多いです。
きちんと噛み合わずほおや歯ぐきを傷つけている
親しらずはきちんと噛み合っていないと延びていくため、向いのほおや歯ぐきを噛んでしまうようになるので痛みが起きることがあります。
さらに、顎関節症が起きることもあるので抜歯した方がいいでしょう。
親しらずが歯周病や虫歯になっている
親しらずは一番奥にある歯なので歯ブラシが届きにくく、歯周病や虫歯になりやすいと言われています。
たとえきちんと生えていたとしても、重度の歯周病や虫歯になってしまっている場合は抜くことになりそうです。
親しらずのケア法
日頃のお手入れをていねいに
親しらずが生えてきたら抜く、抜かないにかかわらずしっかりとケアしておくことが必要です。
斜めや横向きに生えてしまっており、隣の歯を圧迫しているようならそのうち歯ぐきが腫れたり虫歯などになる可能性が高いです。
そうならないように、汚れをしっかりと落としておきましょう。
また、親知らずが腫れてしまい痛みが起こっている場合はクリニックで診てもらいましょう。
腫れているところの周りを洗浄したり、痛み止めや抗生物質を処方してくれるはずです。
あまりに痛みや腫れが重症な場合はおさまった後で処置を行います。
まとめ
親しらずは抜いた方がいいものとそうでないものとがあることをご理解いただけましたか?
ただ、抜いた方がいいかどうかは歯科医師に診断してもらう必要があります。
信頼できるクリニックでご自分の親しらずはどちらのタイプか診てもらい、正しく対処しましょう。
抜く場合も抜かない場合も、しっかりとケアするのを忘れないでくださいね!