メタボリックシンドロームと歯周病の意外な関係とは

はじめに

歯周病と聞いてどういったイメージを持ちますか?

歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどなく、知らず知らずのうちに進行していく恐ろしい病気です。

ここではそんな歯周病とメタボリックシンドロームとの意外な関係についてまとめてみます。

歯周病とは

歯周病にかかっている患者数は世界で最も多いと言われており、成人の罹患率は8割とも言われているから驚きです。

なお、日本人の歯を失う原因の第1位がこの歯周病だそうです。

歯を失うことは想像以上に深刻な問題だと言われています。

たとえば、しっかりと噛めなくなるため消化が悪くなったり、栄養が吸収されにくくなります。

また、発音しにくくなるため会話が楽しめなくなり、人との付き合いが億劫になることもあります。

表情や顔つきが変わってしまうと、人間関係が悪化する可能性もあるでしょう。

さらに、歯周病が全身の健康にも悪影響を及ぼすことが最近分かってきており、歯周病を予防すれば健康的な毎日を送ることができるのは明らかです。

メタボリックシンドロームとは

次にメタボリックシンドロームとはどういったものなのでしょうか?

メタボリックシンドロームとは高血糖、高血圧、脂質代謝異常が組み合わさり、脳卒中や心臓病などの疾患を招きやすい状態です。

単純にお腹周りが大きいだけでメタボリックシンドロームとは言えません。

脳卒中と心臓病を合計すると、日本人の死因の3分の1を占めると言われており、これは動脈硬化が原因だそうです。

動脈硬化を促進する因子として喫煙、脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満などがあります。

こういった因子はそれだけでも動脈硬化を進行させると言われています。

最近日本人も肥満の人が増えてきており、その中でも内蔵脂肪型肥満によって動脈硬化が進行することが分かってきました。

内蔵脂肪が蓄積されることで高血圧、糖尿病、高脂血症などが起こりやすいと言われており、これらが重なり合うことで動脈硬化の危険性が高まります。

こういったことから、内蔵脂肪の蓄積に加え空腹時の血糖値や血清脂質、血圧などが一定以上になることをメタボリックシンドロームと呼んでいます。

なお、日本では内蔵脂肪の蓄積を診断するため、お腹周りの測定が特定検診・特定保健指導の際に取り入れられるようになりました。

ただ、メタボリックシンドロームは血糖、脂質、血圧などの値が治療するほどでない場合でも動脈硬化になりやすいので、異常値になる前に日ごろから生活習慣の改善を心がけ動脈硬化にならないよう注意していただきたいです。

 歯周病とメタボリックシンドロームの関係

上でご紹介した通り、メタボリックシンドロームとは内蔵脂肪の蓄積に伴い高血圧や高血糖、脂質異常が起こっている状態です。

内蔵脂肪がたまっていくと、脂肪細胞から生理活性物質が異常に分泌します。

その中でも特にIL-6、TNF-αが過剰に分泌してしまうと歯周病になりやすいと言われています。

つまり、メタボリックシンドロームと歯周病には深い関係があるということです。

具体的なことは分かっていないものの、ある調査では歯周病の方がその後の健康診断でメタボリックシンドロームの指標が高いことが分かっています。
メタボリックシンドロームだと動脈硬化や糖尿病にかかりやすくなるのです。

歯周病と全身疾患の関係

心筋梗塞・狭心症

動脈硬化は食生活の乱れや運動不足、ストレスなどが原因だと言われていましたが、最近では歯周病菌などが原因だということが分かってきました。

歯周病菌などの刺激で動脈硬化を促進する物質が出てくるため、血管内にプラークが蓄積され血液の通り道が細くなっていきます。

このプラークが剥がれてしまい血の塊ができることで血管の細いところが詰まったりして起こります。

狭心症は血液を心筋へと送るための血管が狭くなったり、ふさがってしまい血液供給ができなくなることで起こる病気です。

最悪の場合死に至ることもあると言われている恐ろしい病気の1つです。

脳梗塞

次に脳梗塞と歯周病の関係ですが、脳の血管にプラークがたまったり、心臓や頸動脈からプラークが飛んできて脳の血管が詰まることにより起こる病気です。

歯周病にかかっている人はそうでない人と比べると3倍近くも脳梗塞にかかりやすいと言われているので、中性脂肪やコレステロール、血圧が高めの方は動脈疾患を予防するため歯周病を予防したり、治療することが大切です。

糖尿病

糖尿病が疑われる人と可能性を否定できない人を合わせると、2,000万人以上もいると言われています。

糖尿病は以前から歯周病の合併症だと言われてきており、実際に糖尿病の人とそうでない人を比べると、糖尿病にかかっている人の方が圧倒的に歯周病にかかっていることが分かっています。

さらに、歯周病になると糖尿病の症状が進行するということが分かってきました。

つまり、歯周病と糖尿病は深く関係しており、どちらかが悪化するとどちらかが悪化するということが言え、お互いに悪影響を及ぼし合っている関係だということになりますね。

歯周病を治療すると糖尿病がよくなるということになります。

歯周病の予防法

歯周病を予防するには日ごろの適切なケアが大切です。

食後食べもののかすは時間が経つと細菌の塊になってしまい、粘着性を増し固まります。

そうならないよう、早めに歯磨きを行うようにしましょう。

歯磨き粉をつけすぎるとお口の爽快感が増すためブラッシングが十分でなくても磨いた気持ちになってしまうのでつけすぎないようにしてください。

ブラッシングで取りきれなかったプラークは硬くなり歯石になってしまうので、クリニックで定期的に取除いてもらうようにしましょう。

まとめ

歯周病とメタボリックシンドロームとの関係についてまとめてみました。

歯周病が全身の健康に深く関わっているなんて、驚きですね。

歯周病もメタボリックシンドロームもどちらも防ぐためには日ごろの生活習慣を改善していただくことが重要です。

そのためにも、定期的にクリニックでお口の中をチェックしてもらい、日ごろの適切なケアを行うことが重要です。

TOP