根管治療に時間が掛かる理由と歯の神経に関する基礎知識

はじめに

みなさんは根管治療という言葉をご存じでしょうか?
一般的に根管治療には非常に時間がかかりますが、どうしてそんなに時間がかかるのでしょう。
ここでは根管治療について、根管治療に時間がかかる理由や歯の神経に関する基礎知識などをまとめてみます。
今後歯科治療を受ける際のご参考になさっていただければと思います。

根管治療とは

人間は古来よりさまざまな感染症と戦ってきた歴史があります。
昔はその原因や治療法も十分確立されていなかったため感染症が大流行すると、歴史に関わるほどの事態が起こることもありました。
つまり、人間にとって感染症は恐るべき存在だったと言っていいでしょう。
歯は咀嚼や発音などのための大切な道具であり、歯を守るためには細菌など体外からの侵入者から歯を守ることが大切です。
まず、歯周組織のバリアが破られた初期の状態を歯周炎と呼び、虫歯と同様歯の存在を脅かすものです。
さらに虫歯が進むと歯髄炎になりますが、虫歯が神経にまで到達すると神経を取り除く治療が必要になります。
その際虫歯や歯周病の原因菌は体内に入っていることになりますが、人間は元々免疫機能があるため命にかかわることはないでしょう。
ただ、それを放っておくと歯を失う原因になり、根管治療を行うことで歯への感染経路の遮断や再感染を防ぐことができます。
歯を守るためには根管治療や歯周病の治療が適切に行われる必要があります。
歯の治療の場合C3,C4程度の段階でどういった治療法を選ぶか、歯周病の場合中程度以降の段階でどういった処置を行うかにより歯の寿命が変わってくると言っていいでしょう。

根管治療に時間がかかる理由

  1. 根管内が複雑なため

    歯によって根管の数は1~4本と違っており、治療する際は歯根を傷つけないよう根管内の全ての感染物を慎重に取り除くため時間がかかることが多いです。
    また、根管は複雑に枝分かれしていたり、網目状になっていたり・・などしているため、治療が難しいです。また、器具が届かないところには薬剤を使い消毒していきます。
    さらに、根管が曲がっている場合は器具をまっすぐ入れられないため操作を慎重にする必要があります。
    直接目で見えないところの細菌を取り除くのは手探りで機器を使って除去したり、薬剤を使って取除きます。もし、細菌感染が広範囲にわたっている場合には歯の内部をきれいにしても周りの組織にまで広がってしまっていると処置が難しくなると言われています。

  2. 痛みが取れるまで時間がかかる

    根管治療は上のように治療が時間がかかりますが、同時に細菌がうまく取除けないと痛みが持続することが多いです。また、違和感がある場合根管の先の部分の骨が溶け出していることがあるため、個人差があるものの骨が再生するまでに時間がかかります。

  3. 保険が使える治療には限りがある

    保険を使って治療するとなると使える器具や薬剤に限りがあるため時間がかかることがあります。
    早く治療を終わらせたい場合は保険外で治療を行えば早くできる可能性もあります。

歯の神経に関する基礎知識

歯の神経を抜くとは

よく歯科治療で歯の神経を抜くという言葉を使いますが、いったいどういった意味があるのでしょうか?
歯の神経を抜くことを抜髄とも言いますが、神経にまで虫歯が到達してしまっていると、その内部にある神経を取り除く治療が必要です。
一言で神経を抜くと言っても、虫歯の中から神経を引き抜く・・ということではなく、歯の内部には空洞があってその中にある血管や神経を除去することを抜髄と呼びます。

歯の神経を取り除くデメリット

健康な歯を維持するには神経をなるべく取り除かない治療が必要です。
では、神経を取り除くとどういったデメリットがあるのでしょうか?
まず、歯がもろくなることが挙げられます。
歯の内部には血管や神経があり、神経を取り除くと同時に血流が遮断されてしまい血液によって水分が補われているのがなくなるため欠けたり割れたりしやすくなると言われています。
また、歯の神経を取り除くと新陳代謝が衰えてしまい、歯に古い組織が残ってしまうため黒くなっていきます。
歯の血液や神経は虫歯が進まないよう歯を守る働きがありますが、神経を取り除くと歯を再生したり強くしたりという力が弱まってしまうため虫歯が進みやすくなると言われています。
歯に神経があると歯にトラブルが起こった時に異常を知らせてくれますが、神経がなくなると感覚がなくなってしまうため歯の異常に気付きにくくなります。
噛み合わせは加齢と共に変化しますが、それに合わせ自然に歯は削れていき正しい噛み合わせを保とうとします。
ですが、神経を取り除いてしまうと強度と保とうとほとんどの場合神経を取り除いた歯に被せものをしなければならなくなります。
被せものは人工物なので天然の歯のようにすり減らないため、噛み合わせがずれてくる・・というデメリットがあります。

歯を抜くこととの違い

では、歯を抜くことと神経を取り除くことの違いとはどういったことなのでしょうか?
まず、歯を抜いてしまうと歯の代わりとなるものを入れる必要があり、入れ歯やブリッジ、インプラントなどになります。
治療法はさまざまですが、どれを行ったとしても天然の歯に勝るものはありません。
歯を残していればしっかりと噛んで食べることができます。
また、歯はそれだけで存在するのではなく、両隣の歯と支え合うことで立っています。
歯が抜けて放っておくと次第に両隣の歯が傾き出します。
また、噛み合っている歯は相手の歯がなくなるため伸びてしまう・・など、歯を抜くとさまざまなトラブルの原因になります。
つまり、神経を抜くことと歯を抜くことは全く違っており、歯を抜くとさまざまなトラブルの原因になります。

まとめ

根管治療になぜ時間がかかるのか、歯の神経の基礎知識などをまとめてみました。
根管内は非常に複雑なので治療に時間がかかるのは仕方のないことかもしれませんね。
また、歯の神経を抜くというのはさまざまなデメリットがあるということをお分かりいただけましたか?
今後歯科治療を受ける際、ここでご紹介したことを思い出していただき役に立てていただければと思います!

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