はじめに
毎日食事の際に使う噛み合わせですが、自分の噛み合わせがいいのかどうか
知っている人はそう多くはないはずです。
ある調査によれば、12~20歳の方のうち4割以上もの人に噛み合わせの異常があるそうです。
歯は小さい頃歯が生え始めてだんだんと出来上がっていくものですので、悪い噛み合わせのままでも気づかずに大きくなってしまうことが多いです。
ここでは、噛み合わせが悪いことでの全身への影響やチェック法などをご紹介してみましょう!
悪い噛み合わせの種類とは
噛み合わせが悪いことを不正咬合と言いますが、その種類には次のようなものが挙げられます。
- 反対咬合 前歯が反対に咬んでいるもの
- 叢生 歯並びがでこぼこしているもの
- 切端咬合 上下の前歯がちょうど合わさっているもの
- 過蓋咬合 上の前歯で下の前歯が見えていないもの
- 上顎前突 一般的に言われている出っ歯
- 下顎前突 下あごが前に出ているもの
- 開咬合 前歯が咬まない状態のもの・・などですね。
噛み合わせが悪いままだと
噛み合わせが悪いままだとさまざまな悪影響があると言われていますが、
主なものに歯周病や虫歯、全身への健康、見た目や発音などがあります。
噛み合わせが悪いまま放っておくと、しっかりものを噛むことができません。
口は消化気管の入り口なので、よく噛めないと胃腸へ負担をかけてしまいます。
さらに、噛み合わせが悪いと腰痛や肩こりが起こったりします。
集中力が欠如したりイライラの原因にもなり、最近では認知症の原因になることも分かってきました。
噛み合わせが悪いことのデメリットはこれだけではなく、唾液の量が減ったり口呼吸するようになるため、虫歯や歯周病になりやすいです。
また、食事の時に片方で噛むクセがある方は顎関節症になることがあります。
あごの骨は体の中で関節が2か所同時に動かないと口が開かないようになっている部位なので、片方で噛むクセがある方はあごの関節にかかる力のバランスが崩れてしまいます。
そうすると、あごの関節や周りの組織がゆがんでくるため顎関節症になりやすいと言われています。
こういった症状は歯ぎしりや食いしばりをする方にも起こる症状です。
また、噛み合わせが悪いままだと筋肉のバランスが悪くなるとも言われています。
噛み合わせのいい方で食べ物を噛むクセができるからです。
こういったクセが長年続くと、左右の筋肉バランスが崩れていきます。
結果、筋肉を使う方とそうでない方とで表情や顔の形に差がでてしまいます。
表情以外に姿勢にも悪影響が出るとも言われています。
下あごは頭蓋骨からぶら下がっており、噛み合わせが正常だとこのぶら下がっている下あごも左右バランスが取れています。
ですが、噛み合わせが正常でないと下あごの位置もゆがんでくるのです。
そうなると、無意識のうちに頭の位置を自分で調整しバランスを取るようになっていきます。
頭は体の中でも大変重さがあるものですので、その位置がゆがんでしまうと支えている肩や首の筋肉バランスに悪影響が及びます。
さらに、肩でバランスが取りづらくなると腕の位置で調整するようになります。
このように、噛み合わせが悪いと全身に悪影響が及んできます。
肩こりや頭痛がひどい場合には、こういった噛み合わせの悪さが影響しているのかもしれませんね。
噛み合わせチェック法
- 奥歯でしっかり噛んでみましょう。
その状態で口の中に両方の人差し指を入れ、ほおを広げて歯が見えるようにしてみましょう。
この時、上の歯が下より外側にあるか、上の歯と下の歯の間に隙間が大きくないか・・などをチェックしましょう。
下の歯が部分的にでも外側にあったり、舌が見えれば見えるほど噛み合わせが悪いと言えます。
ただ、ある程度の隙間は正常ですので問題ありません。
また、上の歯が外側にあったとしても下の前歯があまり見えなかったり、歯並びがでこぼこになっていたり、歯と歯の隙間が広すぎる人も噛み合わせが悪いかもしれません。 - 割り箸を1つ用意し、前歯でこれを横に噛み鏡で見てみましょう。
この時、割り箸が水平になっていれば大丈夫ですが、傾いてしまうと噛み合わせに問題があると言えるでしょう。 - 鏡の前に立ち口を閉じて上と下の唇を軽く合わせます。
この時、唇が閉じずに歯が見えたり舌の唇を上の前歯で噛んでしまったりする、また、上の唇が下で隠れてしまう場合は注意しましょう。 - 写真を撮りましょう。
自分では見えない角度から噛み合わせや歯並びを客観的にチェックすることができます。
また、写真は色も分かるため、歯ぐきや粘膜などの色までチェックできるメリットがあります。 - 歯科矯正専用の正面と横からのX写真や歯並び全体をクリニックで撮影してもらいましょう。
X写真を撮影すれば、模型や写真などでは分かりづらい骨の状態や骨の中の歯の状態までチェックできます。
また、歯科矯正専用のX写真を撮影すれば、前歯の角度や口元の出具合、あごの角度やあごがどの程度左右にずれているか・・などまでチェックできます。
気になったらクリニックへ
おうちでも気軽にできるチェック法などもありますが、もし気になる場合には
クリニックで相談するといいでしょう。
その理由は早く相談に行けば行くほど歯並びが悪くなっていく前に予防できるかもしれませんし、悪くなるのを食い止められるかもしれないからです。
さらに、歯周病や虫歯によって歯をなくしてしまっていても歯科矯正によって歯の隙間を少なくすれば、ご自分の歯で元通りの綺麗な噛み合わせに戻せるかもしれないからです。
入れ歯やブリッジ、インプラントにする必要がなくなるかもしれません。
つまり、ご自分が予想もしていなかったようなプランが見つかる可能性があるからです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
噛み合わせが悪いことでの影響や、噛み合わせが気になる時のチェック法などについてご紹介してみました。
噛み合わせが悪くなってしまう原因を知っておけば、予防法が身につくかもしれませんね。
ご自分の噛み合わせが気になった時はクリニックでご相談することをおススメします!