目次
はじめに
みなさんは子どもの頃、しっかりと噛んで食べるように言われた経験はありませんか?
よく噛むことであごが発達したり、消化が促進されたりする他、脳が活性化したり、運動能力のパフォーマンスが上がるなどの効果があると言われています。
では、噛み合わせのいい人と悪い人ではどういったパフォーマンスの違いがあるのでしょうか?
ここでは噛み合わせのいい人と悪い人のパフォーマンスの違いなどについて具体的にご説明します。
ものを噛めなくなる原因とは
ものを噛まないとさまざまな弊害が起きると言われていますが、どうすればしっかりと噛む習慣を身につけられるのでしょうか?
やはり、子どもの頃から噛む習慣をつけることが重要です。
最近の食生活は欧米化したためパスタやハンバーグ、ファストフード、レトルト食品などを食べる機会が増えています。
また、子どもたちのほとんどはこういった食品を好むことが多いです。
また、最近の子どもは習いごとや塾などに通っているため忙しく、家で1人で食事することが多いです。
こういった食習慣を続けることで噛まなくなっていき、お口の発達に悪影響が及ぶと言われています。
さらに、高齢者が噛めなくなる理由として歯をなくすことや入れ歯合っていないこと、舌や咀嚼筋の衰えなどがあります。
そのため、生涯しっかりと健康に噛むことができるよう、まずは歯を健康に保つことが重要です。
中には歯をなくしても入れ歯にすればいいと考える方もいらっしゃるでしょうが、入れ歯になると健康な歯と比較して咀嚼力がかなり低下します。
つまり、歯を大切にし失わないようにすることや、しっかりと噛んで食事できるよう口内環境を整えることが生涯健康に生活し続けるために大切なのことなのです。
噛むことのメリット
消化が促進される
噛むことは全身にいいことずくめです。
まず、唾液の分泌が活発になります。
唾液には消化酵素の1つであるアミラーゼという成分が含まれており、噛むことでアミラーゼが分泌されやすくなるため消化がよくなります。
また、噛むことで食べものはより細かくなるので飲み込みやすくなったり、胃腸に負担がかかりにくくなります。
加齢とともに食べものを飲み込む力はどんどん弱まるため、特に高齢の方はしっかりと噛んで食べるようにしましょう。
ダイエット効果
さらに、しっかりと噛むことで満腹感を得られやすくなるため、ダイエット効果や生活習慣病も防止効果もあります。
ストレスが解消される
また、満腹中枢を刺激すればセロトニンという幸せ物質が分泌されやすくなるためストレスが解消されるという意外なメリットもあります。
老化防止効果
しっかりと噛んで咀嚼筋を鍛えればあごが発達するため歯並びもよくなり、筋肉がしっかりと鍛えられるのでシワができにくくなります。
虫歯や歯周病予防、免疫力がアップする
唾液中には上でご紹介した酵素の他に抗菌効果のある酵素も含まれており、これによって歯周病菌や虫歯菌なども防止できますし、しっかりと噛めば副交感神経を刺激し免疫力もアップします。
脳を活性化し認知症を予防する
さて、噛むことは脳に大きな影響を与えると言われています。
そのカギとなるのが歯の根元部分にある歯根膜と言われる組織で、この組織はクッションの役割をして歯を守ってくれると同時に食べ物の硬い、やわらかいなどの情報を察知する役割があります。
この歯根膜にある神経は脳神経の一番太い神経と繋がっており、歯がなくなってしまうと、食べものについての正しい情報が伝達されなくなるので、柔らかいものしか食べられなくなったりします。
さらに、この歯根膜の部分で得た情報は何も食べものだけの情報を脳に伝達するだけではないのです。
しっかりと噛むことで脳内の血流の量が増え神経活動が活発になるため、海馬と前頭前野が活性化し認知症を予防できることがわかってきました。
海馬とは新たな記憶形成と深く関わっており、情報はすべて海馬にまずは送られた後に一時的に短期記憶として保存され、大脳に送られ長期記憶となります。
前頭前野はさまざまな情報を統合したのち、集中力や判断力、コミュニケーション能力などの人間が社会生活を送る上で大切な役割をもっています。
なお、この前頭前野の機能が低下すると周りのことに無関心になってしまい、キレやすくなると言われてます。
よく噛む人とそうでない人のパフォーマンスの違いとは
最近、咀嚼についての研究が広く行われていますが、実際に噛むことでパフォーマンスは上がるのでしょうか?
我々がものを噛む時に使う口の周りの筋肉のことを咀嚼筋と言いますが、この筋肉はスポーツをする際深く関わりがあるのでは?と言われてきました。
ただ、科学的に実証されてはいなかったため、プロのスポーツ選手にの協力のもと研究を行ったところ、噛むこととスポーツには深い関係があることが判明したそうです。
では、噛むことで運動のパフォーマンスにどういった影響があるのでしょう。
まず、姿勢が安定することが挙げられます。
首筋に手を当ててみて下さい。
そして歯をぎゅっと食いしばってみてみると、首の筋肉に力がはいり硬くなって首に安定感が生まれるのが分かるはずです。
さらに、体以外にも脳への血流がよくなるため集中力や判断力がアップし、運動のパフォーマンスが上がります。
さらに筋力がアップすることもわかっています。
歯を噛みしめると4〜6パーセントも筋力が向上するというから驚きですね。
たった数パーセント?だと思うかもしれませんが、スポーツ選手にとってその数パーセントの違いは勝敗に関わってくるでしょう。
結論を言うと、噛み合わせがいいと運動パフォーマンスが上がると言うことになり、噛み合わせが悪いままだとパフォーマンスは低下するということになります。
まとめ
噛み合わせがいい人と悪い人では運動のパフォーマンスにかなりの差が生まれることをお分かりいただけたでしょうか?
また、運動だけでなく他にもさまざまな点でもパフォーマンスに差が出ます。
噛み合わせが悪いまま放っておくと全身にも悪影響が及びますので、気になる方はぜひクリニックで相談していただければと思います。