根管治療を受ける前に知っておきたい注意点

はじめに

歯の内部には歯髄と言われる血管や神経を含んだ組織があり、けがや虫歯によってこの部分が感染したり、壊死した場合歯髄を取り除く治療が行われますが、これを根管治療と言います。
さらに、いったんこの治療を行ったものの再度根管が感染したり、感染が残っていた場合は再度治療の必要が出てきます。
ここではそんな根管治療を受ける前に知っておきたい注意点についてご紹介しましょう。

根管治療とは

そもそも根管治療とは神経を抜く治療のことで、歯科治療分野では大きな割合を占めています。
ある調査によれば、全体の25パーセントもの方がこの治療を受けており、根管治療が必要なものには次のようなものが挙げられます。

歯髄炎

虫歯が進行して歯髄にまで達してしまうと歯髄炎になり、これは炎症が元通りの正常な状態になる場合は歯髄を取り除く必要がないですが、炎症が回復しない場合には根管治療の必要があります。
これを抜髄と言います。
症状としては熱いものや冷たいものがしみたり、何もしなくても鈍い痛みがある・・などです。

歯髄壊死

この歯髄炎を放っておくと歯髄壊死になってしまい、温度による痛みなどを感じなくなります。
また、けがで脱臼した歯がこの歯髄壊死になることもあり、症状としては歯が変色する、冷たいものがしみていたのに感じなくなる・・などですね。

根尖性歯周炎

骨の中まで炎症が進んでしまうと、根尖性歯周炎という症状が起きます。
レントゲンを撮った場合、根尖部に透過像がみられます。
虫歯治療をせず放っておくと根尖性歯周炎になってしまうことがありますが、いったん根管治療を行った歯がなることが多いです。
症状としては歯ぐきから膿が出る、噛むと痛い、強い痛みが球に起こる・・などですね。
高齢者に行ったある調査によれば、根管治療を行った歯の中で根尖病変を起こしている方は3割程度で、高い割合で根管治療が必要だということが分かっています。

根管治療の費用

  • 保険適用の場合
    根管治療を受けるには保険が使えます。
    この場合、1本当たり1,500円~3千円程度で治療が受けられます。
    レントゲンや薬剤を使いますが、治療の程度で費用に差が出ることがあります。
    また、差し歯や詰めものをした歯は別に費用がかかることあります。
  • 保険適用でない場合
    専門的な治療の場合は保険が使えません。金額は1~10万円と幅があるのが一般的です。
    この値段の差は治療を行う歯の場所によるもので、衛生管理費や詰めものについては別に費用がかかることがあるため注意が必要です。
    多少費用がかかりますが、保険を使わない場合は治療の精度がかなり上がります。
    特に、保険を使わない場合マイクロスコープを使うので肉眼で治療するよりかなり精度が高くなるため、クリニックでよく相談した上で保険を使うか自由診療にするかを決めましょう。

根管治療の流れ

根管治療の流れとしては麻酔をかけ、虫歯を削り歯の神経を取り除きます。
リーマーと言われる器具を使って手作業により神経を取り除き、薬を詰めて次の通院まで仮のふたでふさいでおきます。
手作業で神経を取り、洗浄し薬剤を詰める・・という治療を歯の管の中が完全にきれいになるまで何度か繰り返し行います。
完全に歯の管の中がきれいになったら管の中に薬剤を詰め、再感染しないように根管をふさぎます。
神経の治療では麻酔を行い神経を抜き取って、その後根管の中をきれいにし洗浄することを数回繰り返して歯の根の管の中をきれいにしていきます。
完全にきれいになったら、ゴム状のものを管に詰めてふさぎます。

根管治療を受ける前に知っておきたい注意点

根管治療は歯の神経を取り除く治療ですが、この治療を行いメリットがあるのは患者本人だけで、クリニック側から見れば残念なことだと言えます。
根管治療を行うと痛みがなくなる代わりに、神経をなくしてしますのです。
では、歯がどうやって歯が変化していくのでしょうか?
神経を取り除いた歯はまさに枯れ木と同じです。
神経には歯に必要となる大切な栄養素を送る役目があるため、硬いものがしっかり噛める歯を保てるのです。
つまり、神経を取り除くことは栄養が途切れてしまうほか、治療によって歯の面積がかなり減るため、それまで耐えていた力がかかっても折れたり、ヒビが入ったりするのです。
枯れ木のようになってしまったもろい歯を強化するのは不可能で、たとえ中に丈夫な土台を作ったとしても、その土台の硬さが合わないため割れてしまうリスクがあります。
また、根っこ部分に膿が溜まってしまうこともあります。
神経は根っこの先の部分を通って歯の中へと広がっているため、内部で細菌感染が起こることで先端部に膿が発生するのです。

怖いのはこの病気は痛みを感じないことが多いことです。

知らない間に膿が広がっていくので、最悪歯を抜く必要が出てくるというから恐ろしいですね。
また、圧が中に溜まっていても抜ける場所があるので痛みはありませんが、圧が抜けるところがなければ突然激しい痛みが起きるリスクもあります。
これがいったん起きると自然に治ることはなく、悪化する一方なので放っておかず、すぐに歯科医院に行きましょう。
さらに、根管治療を途中でやめると膿が発生する確率が非常に高いと言われています。
その理由は根管の中に細菌が残っているからで、痛みを感じなくなったとしても治療をやめずに最後まで通院するようにしましょう。
このように、根管治療を受けると天然の歯と比べてトラブルが起きる確率が高くなるので、歯の寿命がかなり短くなります。
寿命が短くなれば抜くまでの期間が短くなるので、入れ歯やブリッジ、インプラントなどを行う必要が出るわけです。

まとめ

さまざまなトラブルの原因となる根管治療は治療を行う側としてはできる限り行いたくない治療です。
ですが、歯の中の細菌を除去するには神経を抜かざるを得ません。
細菌だけを除去して神経をそのまま残す歯科治療は現在は行えません。
根管治療で歯を失ってしまうことのないように、日頃から適切なケアを行って歯を健康に保つようにしましょう!
ここでご紹介したことがみなさんのお役に立てば幸いです!

TOP