はじめに
みなさんは根管治療という言葉をご存じでしょうか?
根管治療は歯の根っこの中にある血管や親権などが通っている根管の中を治療するものです。
この根管治療にはメリットもあればデメリットもありますが、それぞれどういったものなのでしょうか?
ここでは根管治療のメリットやデメリット、治療の流れなど詳しくご説明したいと思います。
根管治療に興味がある方もそうでない方も、今後の治療の参考のためぜひ最後まで読んでみて下さいね!
根管治療とは
歯の根っこの中には血管などが通った管があります。
これを根管と言いますが、神経や血管などは歯が成長するのに非常に大切な役目がありますが、歯が成長した後は根の周りから栄養が供給されるため、歯髄がなくても歯を維持することは可能です。
歯の根っこを治療する根管治療は歯髄が感染や炎症が起きた時に必要な治療です。
歯髄に感染や炎症が起きたまま放っておくと、根っこの周りに炎症が起きたり、歯が痛み出したり、歯ぐきが腫れたりすることがあります。
根管治療を行えば、そういった症状を軽減することができます。
根管治療の費用
それでは根管治療の費用はどのくらいかかるのでしょうか。
診察料
クリニックで受診すると必ずかかるもので、診察しカウンセリングを行い、どういった治療を行うか説明してくれます。
これには1,000円程度かかるでしょう。
レントゲン撮影
最適な治療を行うために必要なレントゲン撮影を行います。
虫歯の周りを詳細に検査しますが、パノラマレントゲンを撮ることが多いです。
このレントゲン撮影にかかる費用は1,200円程度です。
神経を取り除く治療
根管治療の最初の段階として虫歯の部分の内部にある神経を取り除いていきます。
おおよそ500~2,000円程度かかります。
なお、根管の数は歯によって違うため費用も数によって変わりますが、前歯の場合根管の数は1つで、奥歯には2~3個程度あるようです。
消毒
消毒を行うのは2回目以降の通院が多く、トータルで3回程度は消毒することになっています。
費用は1,000円程度でこれも根管の数によって変わってきます。
被せものをする
被せものをする費用も根管の数によって変わってきますが、4回程度通院した場合5,000円程度かかってきます。
根管治療の流れ
- 治療前の処置
歯に被せた詰めものなどを取り除き根管部分を露出させた後、歯髄を取り除いていきます。
以前根管治療を行って歯髄を除去している場合には根管内に詰められた薬剤を取り除く必要があります。
- 清掃
専用の器具を使い、根管内の残った歯髄や薬剤を取り除き清掃していきます。
- 消毒
洗浄と消毒を行い、症状に合わせて薬を詰めていきます。歯科用レーザーを使い根管内の消毒や殺菌を行うこともあるようですね。
- 治療が終わったら
根管治療が終わって炎症や痛みが治まったら、根管の中に細菌が入るのを防止するため専用の薬剤を使って根管内を充填していきます。この処置を根管充填と呼んでいます。
この処置の後症状が治まれば、詰めものや被せものを入れるため歯を削り調整し型を取っていきます。
根管治療のメリット
それでは根管治療のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
根管治療の最大のメリットは抜歯せずに済むことです。
歯はいったん抜くと二度と生えてくることはありません。
また、歯の本数とものを噛む力は関係ないため、歯を抜いてしまうと1本当たりにかかる力が大きくなるので歯の寿命が短くなりますし、骨を支えている歯にも負担がかかりすぎてしまい、骨までもろくなることがあります。
さらに、歯を抜いてしまうと歯槽骨と歯の根っこの部分との間にある歯根膜と言われる組織まで失うことになりかねません。
この歯根膜という組織は非常に大切なものなので、ものを噛んだ時の力を分散することで歯槽骨や歯にかかる負担を軽減してくれる役割があります。
また、ものを噛んだ時の力を刺激として脳に伝え全身のバランスを保つ役割も担っています。
このように、歯根膜という組織はものを噛んだ時に味わえる実感を得るために必要な組織と言っていいでしょう。
ですが、歯を抜いてしまうとこの歯根膜までなくなるためものを噛んでいる感覚を失うことになるわけですね。
歯をなくしてしまうと歯の両側の歯が傾いてしまい歯並びが乱れることがあります。
そうなると、見た目も悪くなりますし、ブラッシングしづらくなり虫歯や歯周病になりやすくなります。
噛み合わせも悪化するためものをしっかりと噛めなくなることもあります。
つまり、できるだけ抜歯するのは避けた方が無難です。
そのため、根管治療を受けることは非常に重要だということですね。
根管治療のデメリット
歯の感覚を失う
歯の本来持つ感覚を歯を失うとなくしてしまうため、歯そのものに異変があっても感じられなくなります。
たとえば、痛みやしみるなどの感覚をなくしてしまうため、ケアを怠ってしまうと、気づいた時にはすでに虫歯が進行してしまっている場合があります。
さらに、温度も感じにくくなるため味覚にも悪影響を及ぼします。
灰色に変色する
根管治療のデメリットとして歯の色が灰色っぽくなることがあります。
血液循環によって歯の新陳代謝が行われていたのがなくなってしまうため、古い組織が代謝されなくなってしまい灰色っぽく黒ずんできます。
これはエナメル質の下にある象牙質で起きている現象なので、エナメル質をホワイトニングしたところで元には戻りません。
まとめ
根管治療を行えば痛みがなくなるからありがたいなどと簡単に考えがちですが、根管治療を行うことのデメリットもあることを知っておきましょう。
もちろん、根管治療を行うしかないケースもありますが、歯を長持ちさせるためにはできるだけ神経を残した方がいいでしょう。
そのためにも、歯がおかしいなと思ったら、できるだけ早くクリニックで診察を受けるようにしましょう。
まだ初期の段階であれば虫歯治療にかかる費用や時間も少なくて済みます。
虫歯を放っておいて手遅れになってしまわないよう、なるべく早く治療を受けることが大切です。
ここでご紹介したことがみなさんの歯の寿命を延ばすために役立てていただけると幸いです!