目次
はじめに
インプラントという言葉は誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
現在、多くの人がインプラント治療を受けるようになり、以前とは比べものにならないくらい知られるところとなりました。
いっぽうで、インプラント周囲炎という細菌感染による骨吸収のトラブルを起こす方も増えています。
どうすればこのインプラント周囲炎を予防できるのかなど、ここではご紹介しますのでぜひご参考になさってみてください。
インプラント周囲炎とは
歯周病にかかってしまうのは天然の歯だけではなく、インプラント治療を行った歯も注意する必要があります。
みなさんはインプラント周囲炎という言葉を聞いたことがありますか?
このインプラント周囲炎とはインプラントの歯周病を言います。
インプラントはセラミックとチタンでできているため虫歯になることはありませんが、インプラントを埋めているのは骨なので周りに歯茎があります。
もし、磨き残しがある場合にはインプラントの根元部分にプラークが溜まり、悪化してしまうと自分の歯と同様に歯周病菌によってインプラントの周りの骨が溶けてしまいます。
すると、インプラントを支えている骨がなくなってしまうため、インプラントがぐらついてしまい最終的に抜け落ちてしまうのです。
インプラント周囲炎の原因とは
さて、このインプラント周囲炎の原因とはプラークや歯石の中の細菌によるもので、毎日きちんとブラッシングしている方でも感染することがあります。
その理由はブラッシングだけではお口の中の汚れを完全に取り除けないからです。
完全に取り除くにはクリニックで除去してもらうしかありません。
インプラント治療を行った後はご自分でのケアに加えクリニックで定期的にメンテナンスしてもらう必要があります。
日ごろのブラッシングに加えてプロによる定期的なケアによってインプラント周囲炎を予防できます。
たばこも原因に
インプラント治療を受ける時、喫煙によるインプラント治療の失敗の危険性について説明を受けるでしょうが、喫煙は歯ぐきの免疫力を低下させてしまうため感染する可能性がアップします。
インプラント周囲炎を予防するためにはお口の中を清潔にするほか、
細菌に抵抗できる歯ぐきを維持する必要があります。
インプラント周囲炎の治療法
さて、インプラント周囲炎の治療法ですが、初期段階であれば適切にプラークコントロールするだけで症状はよくなるようですね。
ですが、炎症が歯周組織にまで広がってしまうとインプラント表面をきれいにする処置が必要になり、さらに進んで歯槽骨の吸収が始まってしまうと外科的処置も必要になります。
歯ぐきを切開しインプラントについてしまった汚れを取り除き、歯周ポケットを切除する必要がでてきます。
さらに、歯槽骨の吸収が激しい場合には骨の量を増やしたり、歯ぐきの退縮が激しい場合には歯ぐきを増やす治療が必要になったりすることもあるようですね。
インプラント周囲炎を予防するには
適切なケア
では、インプラント周囲炎を予防するために日ごろの生活の中でできることにはどういうものがあるのでしょうか?
上でも書いたようにインプラント周囲炎の最大の原因は細菌で、丁寧にブラッシングすることで除去できます。
プラークをしっかりと落とすには適切なケア用品選びとお口の状態に合ったブラッシング方法を理解しておくことが大切で、これはそれぞれの人によって違っています。
インプラント治療を受けたら歯並びが変わってしまい、ブラッシングのポイントが変わってしまうこともあります。
ですので、インプラント治療を受けたら歯科衛生士や歯科医師から再度ブラッシング指導を受けるといいでしょう。
日ごろの適切なブラッシングによってプラークを取り除いてもらい、お口の中を常に清潔にしておきましょう。
時間を決めて食事をする
プラークは飲食の回数に比例して作られるため時間を決めずに食事をするとプラークが増えやすくなるので、インプラント周囲炎を起こす確率が上がります。
家事や仕事をしながらだらだらと食べる方は食事の時間を決めるようにしましょう。
食事中はよく噛む
食べものをよく噛むことで唾液の分泌量が増えます。
唾液の分泌が増えると歯や歯ぐきに食べものがつきにくくなるメリットがあります。
柔らかいものばかり食べていると噛む回数が減ってしまうため海藻類や野菜などを積極的に摂っていただき、噛む回数を増やすようにしましょう。
たばこを控える
上でもご紹介した通り、喫煙はインプラント周囲炎の原因と言われています。
禁煙ができない場合には禁煙外来のクリニックに行くか、歯科医院で相談するといいでしょう。
禁煙外来の中には禁煙の手助けになるお薬を処方してくれるところもあるそうですよ。
定期検診を受ける
クリニックで定期検診を受けることでプラークや歯石があるかどうか、インプラントの他に歯や歯ぐき、噛み合わせの状態を確認してくれたり、レントゲンを撮って骨やあごの状態を確認して調整や処置などを受けられるので、インプラント周囲炎を防ぐことができます。
歯をていねいに磨いているつもりでいても人それぞれ磨きクセがあるため、汚れが溜まりやすいところは出てきます。
特に歯ぐきの周辺にプラークが溜まり続けてしまうと、歯石ができやすくなると言われています。
この歯石は軽石のような構造をしており、プラークが付きやすくなり細菌が繁殖しやすくなるそうです。
歯石までなってしまうと自分では取り除くことができません。
クリニックで器具などを使い除去してもらわねばなりません。
また、プラークや歯石を取り除いてもらえば再度汚れがつきにくくなるため、定期的にクリニックでメンテナンスを受けていればきれいな状態を長期間保てます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
せっかくインプラント治療を受けてもインプラント周囲炎になってしまっては意味がありません。
今後インプラント治療を受けたい方やすでに受けた方もインプラント周囲炎にならないようここでご紹介したことに注意していただきたいです。
みなさんのお口の中がいつまでも快適に保てることを願っています!